集中力ゼロからの脱却術

僕には集中力が全くない。これは決して自分を卑下しているわけではない。
学生のころから薄々気づいていたが、ハッキリしたのは社会人になった後だ。
興が乗らない勉強や仕事に関しては、仕上がりが悪かったり非常に遅い。

そりゃみんなそうだと思われるかもしれないが、私の場合それが仕事仲間や相手先に多大な迷惑をかけてしまい仕事を続けるのが困難になるレベルだ。
結果適性が無いということで辞めてしまうこともあった。

現在はフリーランスとして基本1人で仕事をしているため、仕事仲間に迷惑をかけるということはなくなったが、やはり興が乗らない仕事は今でもかなり遅い。
進みが遅いというより着手までに時間がかかる。
なので現在は前のめりの姿勢で取り組めない仕事は極力引き受けないようにしている。
まるで子供である。
かなりわがままに感じるかもしれないが、結果として自分を守ることになるし、相手に迷惑をかけないためでもある。

しかし生活のため、もしくは今後の仕事のために引き受けなければならない時も、もちろんある。
会社のブランドを気にせず個人としてわんぱくに納期や条件の交渉が可能なのはフリーランスの特権とも言える。
もちろん相手先に交渉の余地がなかったり、競合他社(他者)がいたりする場合は、この交渉自体が不利に働くが、それでもより主体的に仕事を選ぶことができる。

私は主体的に仕事に取り組めない場合その仕事の目的や、意義が自分の中で曖昧だからだと捉えるようにしている。
その時に「この仕事は誰のためになるのか?」、「自分の成長やキャリアにどうつながるか?」、「やってよかったと思える部分はあるか?」と自問することで、前向きに取組む理由を見つけることができる。

それでもいまいち効果が無い場合もあるが、その時は完璧を目指さず、まずは手を動かしてみるようにしている。
鉛筆を持ってノートを開いてみる、パソコンを開いてみるだけでもよくて、とにかく手を動かしてみると、いつの間にかすべき事に集中できている場合がある。
そうじゃない場合もあるが。。。

とにかく始める前は、「正しくやらないと」「成果を出さないと」と気負ってしまうが、でも実際は「まずやってみる→調整する」というスタイルの方が、主体的に取り組みやすくなることがある。
やる気が出ない時、主体的に取り組めない時にあなたに合った方法が見つからないときは参考にしてみてほしい。

若いうちに経験や体験を

私がやっているラジオの仕事には社員やアルバイトを含め、多くの人間が関わっている。
たまに新卒の社員や学生のADさんとコミュニケーションを取ることがあり、仕事観や心構えみたいな話になる。

私は二十代後半から現在(38歳)までフリーランスで突き通してきたこともあり会社員時代の話は既に古く、その時はフリーランスとしての私なりの持論を展開している。よく話に上がるのが給料の使い道だ。

初給料に関しては決まって「お世話になった両親、もしくはそれに代わる方に報告がてらの粗品を!」と話している。
この時大事なのはそれがあなたの仕事に関連する物である事と、あくまで粗品である事だ。

飲食関係であれば店で扱っている商品や食事券、アパレルであれば小さなアクセサリーなど。貰う側を想像すればあなたの仕事がうっすら垣間見える粗品が喜ばれる事は容易に想像がつく。容易に想像がつくといえば粗品である事もそうだ。初任給で高価な物を貰うのは嬉しいことは嬉しいがどうしても心配が勝ってしまう。

普段の給料の使い道についてもよく話題に上がる。
私が新卒の頃は貯金の大きさがやりくり上手のバロメーターみたいなところがあったが今はそうではないと考えている。貯金を作るためにできるはずの経験や体験を削るのはあまりに勿体無い。

私の場合、経験や体験は全て貴重な情報であり、その情報は仕事でのアウトプットの質に直接繋がる。
ラジオパーソナリティだからとか、イベントMCやってるからではなく、経験上これはおそらくどの仕事にも言える事だと思っている。

旅行に行く、ライブに行く、映画を観る、食を探求する、建築を見る、人に会う、文化や芸能に触れるなどなど、若者であればこれらはむしろ貯金を削ってでもしておきたい。
仕事の質に関わってくるし、もしかしたら人生の質も変えるかもしれない。

しかし、何か新しい事を始める時に貯金があなたの堅牢な足場になる事も確かだ。
貯金と経験・体験。この辺のバランスは人によって異なるだろう。

ちなみに38歳、妻と2人の子供がいる私は、給料をまだ経験・体験にかなり振っている。
どうやらこの高齢化社会、私の年齢はまだ若い方に分類されるらしいからだ。
「見聞を広めに行ってくる」というのが外出の際まだ言い訳として通用しそうだ。

モチベーションとの付き合い方

私はモチベーションに期待していません。

私のモチベーションは天気のようなもので毎日一定ではありません。
すぐに着手できたり順調に進む日もあれば、全く進まない、なんなら着手すらできない日もあります。
なので私はやる気のある日に期待せず、やる気がなくてもやれる仕組み作りを心がけています。
この時大切にしているのは仕事の効率化や結果を出すということではなく、たとえ結果が出なくてもやる気が消え失せたとしてもちゃんと戻ってこれる仕組みにするということです。

例えばやることを小分けにしたり毎日同じ時間に取り組んだりと、自分のできる範囲をしっかり把握して無理なく続けられるようにしています。
習慣化するということに近いかもしれません。

じゃあその習慣をサボってしまったらどうするのか?自分を責めることはしません。
非常に甘いと感じますよね。サボった分を取り戻すためにペースを上げることもしません。
モチベーションの上がり下がりに関係なく基本的には同じペースで進めるよう心がけています。

そんなんじゃ期日や納期に間に合わないのでは?と思いますよね?最初の話に戻りますが私はやる気のある日に期待せず、そしてやる気のある自分にもあまり期待しないようにしています。
なので常にモチベーションの低い自分を想定してゆっくり進めてもちゃんと間に合うようにスケジューリングするのです。

仕事を引き受ける際はモチベーションも高く「頑張れば間に合う!頑張ればこなせる!」と感じますが、一旦落ち着いて自分を疑います。「頑張れば!」というのはモチベーションの低い時の自分を想定できていないしそうやって組んだスケジュールはイレギュラーに非常に弱いです。結果的に仕事をくださった方に迷惑をかけることになりかねません。

マイペースというのがどれくらいのペースなのか?他人と比べてゆっくりであればどれくらいゆっくりなのか?などを具体的に把握できていることが前提になりますがこれが私のモチベーションとの付き合い方です。

仕事の基礎は「全体像」と「人間関係」

仕事の基礎作りで僕が大事にしていることはまず仕事の全体像を掴むことです。
今やっている仕事はどのような需要から生まれてどのように社会に影響・貢献するのか?など、自分の仕事に求められていることを具体的に知ることでモチベーションやパフォーマンスは変わってくると思っています。

そして「全体像を掴む」というのは職場での人間関係も含まれます。登場人物の相関図を把握することは正しい仕事の進め方を知ることにも繋がりますし、仕事のしやすさにも影響します。しかしこの人間関係、本来の仕事とは全く関係の無いところで障害を起こす場合もあるので注意が必要です。

学生時代に飲食店でアルバイトをしていた時に先輩がポロっと「なんだか客対応も上司対応も同じ接客の仕事みたいだよね」と話していたのを今でもよく思い出します。ほんと、その通りだと思いました。

学生時代のアルバイトを含めこれまで様々な職を経験して来ましたが、結局どの職種でも必要なのは対人スキルだったと感じています。仕事を楽しめる、楽しめない、仕事がうまく行く、行かないなどのほとんどは、作業を進めるスキルよりも同僚や上司、お客様との関わり方に大きく左右されてきました。
その経験から僕にとって職場環境の人間関係を把握することは最重要且つ最優先の項目でもあります。

仕事とコミュニケーションが切り離された職種であれば気にする必要はないかもしれませんが、そんな仕事はそう多くはありません。
やはり仕事の全体像や人間相関図を把握することは早いうちにしておいた方がいいと感じています。

ところでそんな仕事の基礎作りに役立つ書籍を紹介させて下さい。
2011年にダイヤモンド社から出版された岩瀬大輔 著「入社一年目の教科書」という一冊で現在も多くの読者に支持されています。
組織の中でうまく立ち回る方法、社会人としての人との付き合い方を学ぶのにこれ以上の良書を僕は見たことがありません。

仕事が変われば基礎作りも変わるのでは?と思われるかもしれませんがこの一冊にはどの職種にも共通するアイディアが50収録されていて、それらは仕事術という見方もできますが人との関わり方についてのスキルという見方も同時にできます。つまり今後仕事での対人スキルの重要性が変わらない限りこの先もずっと変わらず支持を得続ける一冊だということです。

冒頭で記した仕事の全体像を掴むことに関してもいくつかの項目で触れているのでチェックしてみて下さい。

自分らしく、ありのままで仕事をする

僕の仕事はラジオパーソナリティ、メイクマン公式アンバサダー、空間デザイナー、イベント司会などなど、多岐にわたりますがどの仕事でも一貫して心がけていることは「自分らしく」です。
キャラを変えず、誇張せず、ありのままに、等身大で、過不足なく自分を出すことです。

それってわがままでは?頑張っていないのでは?と思われそうですが、わがままでもサボっているわけでもありません。
自分らしく仕事をすることが結果的に1番パフォーマンスが高いということに気がついたのは30代中盤、FM沖縄で Connect という番組を始めた時でした。
当初の僕は何が現場にフィットするのかを考え続け毎日が全力投球、やって疲れたら息抜きをするというのを繰り返していました。

初めての帯番組。やる気満々気合十分でリハーサルに臨んでいたある日、先輩から「頑張るのもいいけどありのままを評価されることが長続きのコツ」とアドバイスを頂きました。空回りしていたわけではないと思うのですがやはり力んで見えていたのかもしれません。
そのアドバイスをもらった日から僕は手を抜かずに力を抜く方法を考えるようになりました。

水泳で言えば効率の良い息継ぎを探す感じ、野球で言えば毎回一球入魂しますが全力投球は考えます。その後の投球のバランスを見ながら慎重に行うといった感じです。

僕に関して言えばこの方法はラジオパーソナリティ以外の仕事でも有効で、既存の仕事だけでなく新しく挑戦する仕事の場合でも一度時間を置いてどうすれば過不足なく僕を出すことができるかを考えるようになりました。
この力配分で皆さんから合格点をもらい続けることができれば大いに良し!

逆に合格点に届かない場合はより頑張る!ではなく僕にはこの仕事がフィットしていなかったのかもしれない。もしくはこの仕事に僕自身がフィットしていなかったのかもしれないと考えます。

こういった判断や見切りが早い段階でできることで助かった!と思ったことが何度もあったし、仕事で関わる皆さんにとっても結果的には良い方向に作用します。

「自分らしく」は、わがままでもサボることでもないんです。

人と会うことから始まる、仕事探し

僕の今のお仕事は、ラジオパーソナリティ、メイクマン公式アンバサダー、空間コーディネーター(店舗や住居のインテリアデザインやテレビCM美術など)です。特定の事務所や会社に就いておらずフリーランスとして活動しています。

そんな僕の仕事の探し方は“とにかく人に会う”です。

僕は過去に、就いていた職が合わず塞ぎ込んでしまい退職後しばらく無職で過ごしていた期間があります。そんなある日、先輩に夕飯に誘ってもらってそこでお酒を飲みながらくだらない話をしていました。

話の流れで先輩が僕に「最近何してるの?」と尋ね、僕は退職後勉強のため一人で黙々と読書をしている旨を伝えました。すると「読書が悪いとは言わんけど外に出てとにかく人と会え!チャンスを掴むのは自分、けど大体の場合それを運んでくるのは他人だぞ。」との先輩の言葉。

これが万人に当てはまるかは分かりませんが、その後の経験から僕にはドンピシャで当てはまっていたように思います。現在僕は一匹狼のフリーランスで仕事をしていますが、よく考えるとそのどれもが人様が運んできたチャンスでした。もちろん自分で勝ち取ったものではあります。

しかし自分一人では産み出すことのできない仕事だし何人かとの関わりを経由しないと辿り着けなかった仕事達です。

とにかく人に会うことで職にありつけましたが、その後もやはり人に会うことでフリーランスとしてどうにか食い繋いでいます。

まだ世に出ていない新鮮なアイディア・チャンス・ヒントを得る、話しながら自分の中でまとめる、新たな出会いに導いてもらう、、、僕にとって能動的且つ積極的に人に会うことは職のない時期には就職活動になり、職を手にしている今は営業活動になっています。

多岐にわたる挑戦、社会人一年目の学び

まずはみなさん初めまして。僕はラジオパーソナリティ、メイクマン公式アンバサダー、空間コーディネーター、バンドマン、木工雑貨職人など様々な肩書きを持っています。どれが本業?ときかれることが多いのですが僕はどれも本業だと思っています。好きなことを続けてきた結果、現在それぞれがどうにか生業になっています。

しかし初めから現在のような動き方で仕事をしていたわけではありません。

大学時代から勤めていた英会話教室のバイト先に卒業後スライド就職。これが僕の社会人デビュー。そこでは英会話教室のマネジメントと飲食部門でカフェの店長を兼任していました。

仕事の内容は英会話教室では生徒を増やすためキャンペーンを打ったりそのチラシを地道にポスティングしたり、外国人講師の面接・採用、教室のスケジュール管理など。

飲食部門ではアルバイトのスケジュール管理、メニュー開発、イベント企画・運営、多くの方にカフェを利用してもらうため様々なプランを打って試行錯誤を続けたりとたくさんのことにチャレンジしていました。

文面では鬼のような仕事量に感じますが嫌だと思ったことはなく、むしろ社会人として仕事をしている!という充足感すらありました。側から見てもそれは感じ取れたのではないかと思います。

しかし社会人一年目。全てがうまくいくはずもなく。

当時僕には知識も経験もなく、加えて創業間もない会社だったため蓄積されたノウハウもなければマニュアルもない。人を頼るのが下手で、自分なりに手探りで仕事を進めていましたがやはり結果は「社会人一年目」の域を出ず。事業の成長どころか現状維持にも苦戦していました。

見通しが甘く、周りが見えず、バランスが取れず、一緒に仕事をしていた仲間たちには大変迷惑をかけたと思います。。。

しかしその経験の中で学ぶことは多く、僕は何が得意で何に向かないのかを知ることができました。

思えば社会人一年目からこれだけいろんな経験を積むことができたのはあの会社以外にはあり得なかったかもしれません。今では本当に感謝しています。

ちなみに当時のオーナー(社長)とは現在でもたまに会うことがあり笑顔でお酒を共にしています。

会社を退職後、英語が少しできることと学生時代からバンドを続けてきたことで次の仕事のチャンスが舞い込んで来るのですが、それはまたの機会にお話しさせてください。